BREITLING　NAVITIMER

私が愛用する時計はパイロットの象徴とも言えるブライトリングの腕時計です。 この時計を購入したきっかけは、以前に席を置いていた会社が銀座4丁目と言う立地条件の場所に位置しておりました関係で その当時　制服などでお取引してしていたのが松坂屋だったため、外商の方とも顔見知りとなり高価な時計も若干でも安く 手に入るのでは？と思いつき相談してみた所、それなりに値引きしていただくことが出来たのでフンパツして購入に至りました。 あの時、衝動買いしてからと言うもの　かれこれ15年程度は愛用しているではないでしょうか・・・・ 一度だけオーバーホールした経験があるのですが、確か6万円程度掛かった様な気がします。 高価な時計なので修理代もそれなりにかかりますが、もうここまで愛用すると手放せないですよね。 これは時計と言うより　計器と呼ぶのがふさわしいのではと思います。 今も確実に時を刻んでいます。 ●エピソード 2009年の何月頃だったでしょうか？ 仕事の都合で安月給になり、少しでもお金を作ろうと考え始めた時に一番早くお金になりそうだったのが長年愛用したこの時計でした。 勿論、パイロットの象徴とも言えるこの時計で身につけているだけで幸せを感じるほど愛着がありました。 でもそんな贅沢はもう言っていられる状況ではありませんので、自分の気持ちを整理し手放すことに決めたんです。 妻にも勿論相談しましたが、自分で決めて下さいと言わんばかりに言葉少なめです。 暫くインターネットで色々と調べた結果苦渋の選択でブライトリング時計を高価下取りしてくれる（質屋）さんが御徒町に見つけ、 妻と出かけてみることにしました。 そのお店で値段の交渉もほぼ終えマズマズの値段が出た所で、私が手放そうとしたその時に妻は突然ぽそりと「やっぱり手放すの辞めよう」と 言いだしたんです。 私も何で？と意味が判りませんでした。 そうしましたらその店員さんは慌てて　値を吊り上げて来ましたが、私も何となく妻の表情を見たら売る気がなくなってしまい 二人はそそくさとお店を後にしました。 帰りの道中で妻は、もう二度と手に入らないし長年使って来たんだからもう少し使えばと言ってくれたんです。 もしあの時、衝動的に売ってしまったら私が長年身につけて来た思い出は全て無くなっていたに違いありません。 売ってしまいお金にするのはとても簡単ですが、その時計に付いた一つ一つの傷が私の歴史でもあり妻の歴史でもあるからです。　 妻は私が大切に使っていたことを十分に知っているので心が痛んだんでしょう。 金がないのに、本当に申し訳ない。 時々　時計を眺めるとあの時のことが蘇ります。 この時計は私の宝物であり、妻の宝物でもあるのです。 もう二度と手放すことは考えられない私のアイテムとなっています。 妻に心から感謝。