小さな振り子時計

2005.06.04

我が家に小さな古時計がお嫁入りしました。 昨夜、気まぐれに実家へ出向き久々に顔を出して来たのですが、階段にあった見慣れた振り子時計がありません。 もしや両親の事ですから捨ててしまったのでは・・・・・・と頭を過ぎり　母に　”あれっ　時計は？　”　と尋ねますと 物干しにあると言うことで、急ぎ足で物干しへ行ってみると　そこには無造作に振り子時計が横たわっていました。 話によると、神経質な父が地震の際　落下による事故を避ける為に事前に取り外した為だそうです。 実はこの時計、私が幼い頃からあった時計で何時もカチッ　カチッと時を刻み定時になるとボーン　ボーンと大きな 音色を響かせていた私にとっては思い出深い振り子時計なんです。 かなり古いので見るからに塗装が剥がれもうガタガタで、捨てられても仕方がないほどですが　この時計を眺めて いると今は亡き祖父・祖母の笑顔そして父母・兄弟と一緒に暮らしていた懐かしい思い出が蘇ってくるのです。 物干しに横たわっていたので無性に可愛そうになり、母の了解を得て我が家に持ち帰る事にしました。 自宅に戻り早速ホコリなどで真っ黒に汚れた表面を掃除し、機械部分にオイルを注しました。 以前の様にネジを巻いてみると、また何時もの様にカチッ　カチッと時を刻み始めたのです。 私が幼い頃に聞いた振り子時計の音が今このスウェーデンハウスで蘇りました。 とてもボロイ振り子時計ですが、私の掛け替えのない時計なんです。 我が家に勝手にお嫁入りさせてしまった古時計ですが、妻から一言二言　愚痴を言われると思ったのですが 不思議に温かい気持ちで歓迎してくれたのが嬉しかったですね〜 これからどの様な運命を辿るかは判りませんが、私が生きている限り優しく時を刻んでくれていることでしょう。